消滅→「HASEKOでんき by 中部電力」のカテエネプランのおトク度は?

(注)長谷工アネシスの電力受電部門が2018年7月1日に関電系のNextPowerにまるごと吸収されたので、この「HASEKOでんき」も同日に消滅しました。よって、以下の記事は過去の遺物と化しました。(2018年7月14日記)

長谷工アネシスは、マンションの高圧一括受電業者で、主には長谷工、総合地所物件の一括受電契約を担ってきました。しかし、今年の5月に小売電気事業者でもある中部電力のパートナーとなって、中部電力の「カテエネプラン」を6月19日から販売開始しました。長谷工グループが管理するマンション専有部への低圧小売りです。
1年間の割り増しポイントがあり、電気の使用量にかかわらずおトクで業界トップクラスの低価格と銘打っています。

中部電力プレリリース 2017年5月31日 長谷工アネシスとの提携
https://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3264387_21432.html

中部電力は名古屋本社の中部地方管轄の地域独占電力です。東京電力と同じ地域独占会社ですね。ここは、地元が多いのですが、以前から他の企業をパートナーとする販売戦略をとってきました。ユーザーにとっては、どのパートナーを窓口にして中部電力と契約するのが良いか、つまり、特典の違いは何かです。
それから、中部電力カテエネプランが、他の小売電気事業者と比べて、どれだけおトクで低価格かを見極めることになります。
この2段階で、メリットを見ていきましょう。
なお、「HASEKOでんき」は、長谷工アネシスによる「カテエネプラン」という意味です。「HASEKOでんき」という会社は存在しないのでブランドイメージ作りなんでしょうが、紛らわしさを感じます。

1. 中部電力パートナーと特典
首都圏でのパートナー企業は、EDION、静岡銀行、CTC、BIGLOBE、エネチェンジがあります。

中部電力パートナー企業の一覧は下記参照。
URL: https://www.chuden.co.jp/home/tetsuduki/partner/index.html

エネチェンジで契約すると、9月30日までのキャンペーンでAmazonギフト券3000円がもらえます。カテエネポイントは通常通り1,140ポイントなので、1年目のみ黙って1200ポイントを更に追加というHASEKOと比べると、3000 - 1200 = ¥1800 お得となります。
契約窓口は、HASEKOではなく、エネチェンジの勝ちです。

2. 中部電力 カテエネプランの料金体系
カテエネは基本料金と従量料金を東京電力より少しずつ低くしたものです。下図を見てください。
しかし、他の事業者と比べると、基本料金はもっと安いところや0もあります。表17の料金体系比較を見て下さい。
それから、一段/二段料金は4社がもっと安く、三段料金は5社に負けています。

確かに使用量に関わらず東電より安いですが、五本の指に入るのがトップクラスとするなら、なんとかトップクラスです。
でも、トップレベルは、トップクラスだなんて自己宣伝は普通しないですよね。そういうのは、そもそもお客様が判断する話しです。

中部電力(株) 首都圏向け料金メニュー新カテエネプランより

3. カテエネプランのおトク度は?
では、年間の電気料金を他事業者と比較しましょう。表23です。
ここでは、「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー促進賦課金」を含めているので、リアルな支払い金額を示しています。
何故か、中部電力及び長谷工アネシスの資料は、後者を省いた金額表示をしています。省くと、電力料金が実際よりも500~1000円ほど減ります。そういう小細工を何故するのでしょう?好ましくありません。中部電力、HASEKOの資料を見るときは注意ください。
また、キャンペーンなどの特典を含めた金額も示しました。他事業者のは価格COMによるものです。
中部電力 カテエネは、HASEKOはポイント、エネチェンジはポイントとエネチェンジのキャンペーンを計算に含みました。
なお、当然ながら電気使用量は毎月変わります。そこで、200kWh, 400kWhの使用量が半年ずつで平均300kWhとなった場合、300kWh均一と比較してどれだけ金額がアップするか計算しました。それが、300(増分)の数値です。300(半々)はその増分を足した金額です。増分が大きいプランは、実際の支払い金額が想定より多いと感じやすくなります。

事業者の年間料金は、以下の表23とグラフ(特典込み)で比較できます。
みてわかるように、HASEKOは使用量のどこをみても高い部類です。
エネチェンジは、スマ電ホームとほぼ同じと言えます。
エネオスはさすがで、使用量に関わらず安いです。しかし、エルピオ電気は更に安いです。なお、エルピオ電気はWEBて電力監視するサービスはありません。
中国電力や洸陽電気はキャンペーンやキャッシュバックはほぼ無くて素の料金だけで勝負しています。つまり、2年目、3年目も同じなので、その意味では安いと言えます。
四国電力は使用量が安定的に低い場合に最大の効果があります。
残念ながら、エネチェンジのカテエネも2年目はポイントだけになるので、2年目も続けるのはかなり不利です。
一方、エルピオ、中国電力、洸陽電気などはほとんど変わらずに、安定して安いと言えます。年毎に事業者を変えるのが面倒な方によろしいかと思います。

事業者の年間料金比較 (特典込み、1年目のみ適用)

4. まとめ
HASEKOのカテエネプランは、他の窓口業者(パートナー)や他の小売り電力事業者と比べるとメリットは?です。検討する情報が少なかったり、検討が面倒なので多少でも安けりゃなんでもいいよ、という人には、宣伝できるかと思われます。
今回みた中では、エルピオ電気はダントツと思いますし、エネオス、スマ電、中国電力などは安定的で安心できます。

HASEKOのような新規小売り参入業者は、中途半端な価格設定ではなく、電気品のデパートと同じく1円でも高ければ安くします位の姿勢があったほうがよいのではないでしょうか。
(2017年9月13日記載)