未曾有の第七波 - 感染力と対策

暑い時期に関わらず、感染者は一日に20万人を超えました。勢いは急激で40万人超えも視野に入ってきます。死者数も第六波から倍増し、過去最多となるのは明らかです。後遺症も怖いです。どうすれば感染から逃れられるのでしょうか?

もう風邪みたいなものだ?
第六波(1月1日〜6月15日)では、感染者数は736万人、死者数は12,572人でした。オミクロン株は軽症だと喧伝されましたが、実際には死者数は第五波の約4倍に増加しました。
確かに死者の感染者割合ではオミクロンはデルタの約半分ですが、感染者数がべらぼうに多いため、これまでの最大の死者数になったのです。
一方、第七波の主役であるオミクロンBA.5は、BA.2よりも感染力は1.3倍強く、肺でのウイルス増加は18倍とのことなので、第六波よりも感染者が増えるだけでなく重症化しやすいリスクがあります。
第五波、第六波の感染者ピーク値は前波に対して3~4倍増加しました。
よって、第七波ではそのピーク値を前波の3.5倍、期間は3ヶ月間で三角形の波になると仮定すると、予想される感染者数は、106,000 × 3.5 × 30 × 3 ÷ 2 = 16,695,000 人となります。
つまり、第七波では約1,650万人が感染し、第六波と同じ比率としても死者数は約3万人になると予想できます。これまでの最大規模です。しかし、この予想は最悪ケースではないことに注意しましょう。
インフルエンザは感染者は1000万人/年、死亡者は約1万人と推定されるとのことです。
一方、新型コロナが第八波、第九波と続くなら、年間では5000万人、死亡者10万人となってもおかしくありません。
やはり、新型コロナはインフルエンザよりも強烈な疫病であり、風邪みたいと思うのは、能天気な考えと言えるでしょう。

しかも、大変な後遺症(他の臓器に感染中!)
今後明らかに問題なのは、感染者の4人に1人か5人に1人の割合で後遺症が出るということです。すると、第七波の試算からは330万人以上が後遺症患者になる計算です。PCR検査で陰性となっても体内にウイルスまたはウイルスの破片がずっと残存しており体調を悪くするようです。改善できる治療法はあるものの、辛く長い処置であるようで、また、完治するわけではなく、とにかく無理をせずに十分に休むことが大事だそうです。
健常者のように業務ができる状態ではありません。現在、治療薬はありません。
なお、「後遺症」としてしますが、新型コロナウイルスは風邪などの呼吸器系疾患の範囲だけでなく、脳も含め全身の臓器に波及する多臓器疾患です。つまり、後遺症のある人は、いわば、まだ感染中であり、他人に移さないだけなのです。
社会的には失業者の増加と労働力不足が表面化し、大きな問題となる恐れがあります。

治療薬はあるか?
軽症時にオミクロンに効く治療薬は限られますが、ウイルス増殖を抑えるものがあります。もちろん、薬局では入手できません。医者にかかる必要があります。

医者にかかれるか?
現時点では医療崩壊しかかっており、電話が通じない、手一杯でお断りされるなどのケースが頻発します。頑張るしかないでしょう。諦めて「自宅療養」していると重症化、死亡する場合も当然あり得ます。

感染ルートは何か?
オミクロンBA.2はデルタ株の6倍の感染力があり、1人の陽性者が30~48人に感染させうるものでした。BA.5はその1.3倍とのことなので、1人が40~60人に感染させる力があります。つまり、1人が咳をしたら、周りにいる人全部に影響します。
品質の良い不織布マスクは装着にもよりますが、出し側/受け側で各々80%/70%カットでき、影響力は0.2×0.3=0.06倍となるので、お互いにしっかりとマスクしている場合には、陽性者の実質的な感染力は2.4~3.6人となり、感染可能者は付近にいる人に限定されます。
しかし、感染はウイルス量によるので、低い感染力でも時間を経るとウイルス吸い込み量が増えてしまい感染リスクが高まります。陽性者とはごく短時間の出会いであることが計算の条件です。
このように主たる感染ルートは空気感染(エアロゾル感染)です。
ウイルスは空気中では2〜3時間は活性のままです。空気が滞留または対流しているスペースでは、満遍なくまとわりつくので極めて危険です。どの建物でも至る所で空気は滞留しています。一時的なら呼吸を止めることも対策の一つになります。長居は禁物です。
一方、飛沫感染や接触感染にも注意が必要です。空気感染が圧倒的であるだけで、飛沫や接触感染リスクがなくなったのではありません。常時マスク以外に、使い捨て手袋や消毒用アルコール、および専用ゴミ袋を携帯して、直接触らない、衣服でこすらない、触れた場合には即時消毒する、使用した手袋は適時専用ゴミ袋に入れて他と分離するという一連の処置をいつでも取れるようにします。

感染しないための方策
政府は無策を続けほとんど第七波を放置しているようにみえます。
できるだけ感染を避ける工夫を個々人が行うことが求められています。
税金を払う甲斐がないというものです。
1. 感染非公開の店は、できるだけ避ける
第六波の最中に、Web上で感染を公開するお店がずいぶんと減ってしまいました。理由はともあれ、利用者が現状の感染状況を把握できないのは問題です。
近隣について、
非公開: イオングループ、セブンイレブン、ヨークマート、ファミリーマート
公開: 京急ストア/百貨店、ローソン、さいか屋、コープ、イトーヨーカドー、高島屋、そごう
物流関係では、
非公開: 佐川急便、日通、ヤマト運輸
公開: 郵便局
薬局は、(8月2日追加)
 非公開: マツモトキヨシ、ウエルシア(ハックドラッグ)、8月からクリエイトも
というところです。その他もWeb上で検索すると公開か非公開か判断できます。
2. 買物の店内では声を出す人や布マスクの人から極力離れる。
薬局でも無自覚に客に声をかける不勉強な店員がいます。店員は常時、感染リスクに晒されているので、陽性者の可能性が常です。声を出す店員はウイルスを周囲にばら撒いている恐れがあります。他人との距離は常にあけることが重要です。新型コロナは本人の自覚症状がある前からウイルスを吐き出す事に注意しましょう。
布マスクはウイルス防止/阻止の効果は薄いので、安心できません。また、使い捨てでないマスクは常にウイルスに汚染されている可能性があります。気をつけましょう。
3. 混んでいるレジには並ばない
もし、レジが全部混んでいるなら、列間隔も狭まり、時間もかかり、空気も澱むので、感染リスクが倍増します。そもそも、混んでいる店内は危険です。諦めて空いている別の店にするか、リアル店舗ではなくネットスーパーでお買い物するかにします。
4. 台車や品物は使い捨て手袋で触れる
直接触れないことでリスク低減します。片手だけを使い、もう一方の手は会計時に自分のものを使えるようにします。多少の訓練がいるかもしれません。
5. レジでの会計はモバイルSuicaなどを使います。
手袋していない手を使い、機器に触れないで、エアタッチ操作をします。クレジットカードでも非接触で会計できるものがあります。触れなければ、接触感染から無縁になります。
レシートはもちろん手袋した手の方で受取ります。
6. 袋詰めは外で行う。
レジ近くの台での袋詰めは、密による空気感染と接触感染リスクがあります。自転車の荷台に袋をセットしておき、その場所まで台車を持ってきて袋詰めします。徒歩の場合も外で袋詰めするのが正解です。そばに人がいない事が大事です。
7. 外出時は自転車に乗り、車道を走る。
信号待ちでは他のバイクや自転車との距離を2m以上とる。
外では鼻出しマスク、あごマスク、未着用と、実質マスクなしの人が多くて近距離では危険な空間となります。特に風下は危険です。車道は当然人が少ないので歩道と違い密になることを避けやすくなります。道路交通法では、自転車は車道を通行するのが正解であって、歩道の走行は特例であることを意識しましょう。
走行中は先行する自転車から10m以上の距離をとります。先行者の息は後方10mまでたなびくからです。同じ理由でジョギング者との距離も10m以上とします。
8. 工事中の箇所を避けて迂回する。
みたところ、工事作業者でしっかりマスクしている者は皆無です。全ての人は格好だけです。鼻、口にマスクがかかっていません。彼らは無頓着に大声で声をかけるので大変危険です。工事で通り抜ける通路は狭く、彼らと接近するのは避けられないので、工事区間は迂回するのが賢明です。
9. なんらかのメガネをする
ウイルスは鼻や口だけでなく目にも入り、感染します。
メガネをかけることで50%減の効果があることが知られています。
できれば花粉防止のサングラスが有れば適切といえます。
通常のメガネでも目を手で触れるのを防止する効果はあります。
10. 値段の高い使い捨てマスクを着用する
空気感染が主である現在、良いマスクをする事はとても大事です。ポイントは隙間なしで密着性の良いことと、ウイルスを阻止できる素材であることです。つまり、「形状記憶」的なノーズフィッターがあり、4層シート構成で、PFE/BFE/VFEに適合し、通気性も良いことです。
さらにウイルスなどを不活性化する表面処理がされていれば、不用意なウイルスの侵入を防止できます。
以上を満足するマスクは国産品でダチョウ抗体マスクや銅合金蒸着マスク(やまと真空マスク)があり、ネット上で入手できます。
¥100以上/枚ですが、感染や後遺症などを考慮するとむしろ安いといえます。
11. 外出着と室内着を分けて、玄関で着替える。購入品は消毒する。
ウイルスは衣服にも付着しているので、外出着のまま室内に入ると室内を汚染します。ウイルスは入口で遮断する取組みが必要です。買物品も直接持ち込まずにできる限り消毒するのが適切です。着替えの際には手は適時消毒して室内着にウイルスが付着しないように気を使います。
12. 手洗い、洗顔し、メガネも洗い、うがいをする。
洗面所で以上を行います。

大切なマスクの着用方法
TVのインタビューでも、話をしているうちにマスクが下がり鼻が露出する光景をよく見ます。マスクがゆるゆるで隙間があるためで、この場合、鼻が出ていなくても隙間からのウイルス吸い込み量は50~70%と大変多くなります。不織布マスクは一般に表面でウイルスを90%以上阻止するのですが、ゆるゆる隙間ありマスクではマスク表面の阻止効果が無駄になります。マスクする意味がないと言えます。
尾身会長も当初は鼻が出てしまうゆるゆるマスクでしたが、現在は隙間なしピッタリのマスク装着になり、進歩しました。
意外に多くの人が工夫なくマスクを着けていて、メガネが曇ると鼻出しマスクになる人も多いようです。一定品質のマスクはノーズフィッターの形を整えるとマスクがピッタリ付いてメガネが曇りにくくなります。また、サイズが小さすぎなければ頬の横から空気が漏れないように着けれます。
ポイントはマスクの位置で、目の下1~2cmまでマスク上辺が来る様に、又は、マスクで鼻全体をほぼ覆うようにすることです。
マスクがすぐ下がる人は、元々鼻の2割しか被らない位置でマスクをセットしているようにみえます。それでは話し中にマスクがずれるのは当然です。
図6から図10にマスク装着のポイントを写真で示しました。私はこれでエア漏れせずにマスク装着ができています。

自分が無症状感染者と想定して行動すること
なお、日常生活で対策をしていても、ウイルスの100%遮蔽や除去は困難ですから、感染リスクを下げても感染する機会はあり得ます。ウイルスの変異株により、今やワクチンは重症化を抑える効果はあるものの感染防止の度合いは薄まっています。その意味で普通の風邪同様に簡単に感染しやすくなっています。よく高齢者がマスクなしで通行しているのを見かけますが、ワクチンの効能を誤解した危険行為と言わざるをえません。
陽性であっても無症状である人も多いです。新型コロナは無症状の人もウイルスを放散しますが、無症状ゆえ本人は気が付きません。たまたまPCR検査を受ける機会があって初めて判明します。つまり、私達は気づかずに自分からウイルスを放散する場合があるのです。自分はピンピンしているから健康で感染者ではないと思うのはすごい間違いです。
感染を拡げない工夫を、感染しない工夫とともに実行する必要があります。この工夫は、常に効果のあるマスクをして、近くで大声を出さない、マスクを外す機会は避けるとかで達成できます。
室外でも、バーベキューパーティなどでクラスターが発生することはよく知られています。
また、マスク着用が熱中症をまねくというエビデンスはありません。熱中症予防とは無関係です。(日本救急医学会)
最近、厚生労働省や文部科学省が、外では熱中症防止のためにマスクをとるように喧伝していますが、間違った、官製フェイクニュースと言ってよいものです。鵜呑みにしてはなりません。官庁はよく間違いをするものですが、第七波の拡大を率先して助長するとは、役人は狂っているとしか言えないです。

図1 横須賀市と地方の感染拡大
7月から各地で同時に感染者が急増しました。10日間感染可能とすると、現在、横須賀市では1600人/10万人、つまり、100人中1.6人がウイルス散布者です。
図2 横須賀市と金沢区の感染状況
感染者は第六波の倍で発生中です。
図3 空港検疫陽性者の推移
検査レスにより、すり抜ける陽性者は現在200人/日以上に達していると推定されます。馬鹿げた開放処置の結果、第七波の立役者になっています。
図4 全国日別感染者数の推移
第七波は第六波よりも増加率が大きい事がわかります。まだまだ増加すると思われます。
図5 全国日別死者数の推移
7月から増加に転じました。今後、死者数が第六波を越えてくることは間違いないと推定されます。
図6 不織布マスク(4層)
このマスクは内層に銅合金シートがあるのが特徴です。ウイルスを短時間で不活性化します。
図7 人差し指を挟んでマスクを折ります
人差し指により、ノーズフィッターが適度に丸くなります。
図8 マスクの装着(1)
鼻全体を覆うようにマスクをかけ、鼻に密着するように上部の形を整えます。
図9 マスクの装着(2)
マスクの下部両端を持って下に伸ばし、顎まで覆うようにします。
図10 マスクの装着(3)
マスク両端を抑えたり離したりして脇の漏れがない事を確認し、上部も隙間なくピッタリしている事を確認します。
2022/7/26