新型コロナの現状と今後 -空港検疫省略で第七波の危険

6月1日から入国緩和とともに、入国時検査も大幅に省略されました。
その結果、今後は毎日100人規模の陽性者が自動的に市中に吐き出されることになります。この愚策により6月中旬から第七波が引き起こされる危険が大きい。


今年も半年近く経ちましたが、第六波、今年1月以来の感染者は、6月からようやく2万人/日以下に減ってきました。日本や韓国以外の国ではオミクロンの波は3ヶ月で収束するのが普通です。ズルズルと流行が長引いている日本は異常で無策にみえます。(図1、図2)

今年1月以来の感染者と死者数は5/31時点で各々7,122,303人と12,231人です。
東京オリンピックが行われた昨年の第五波では、6月28日~10月27日の4ヶ月間で、920,772人と3,516人でした。
つまり、第六波は第五波と比べて、感染者は7.73倍、死亡者は3.47倍まで拡大したのです。
オミクロンはデルタ株に比べ軽症で済むと流布されていますが、実際の被害=死者の絶対数は格段に大きくなっていることが分かります。
また、感染者が劇的に増加した分、後遺症に悩む方も激増した事になります。


各地の感染状況は一律ではありません。(図3)
今年の横須賀市、富山県、福島県、岩手県の感染者数グラフを見ると、花見、入学式、5月連休など、人の移動があるイベント毎に増加して素直には減ってないことがわかります。低下傾向を作っているのは主には3回目のワクチン接種と推察します。
5月連休以降は岩手県を除けば、地域によらずに感染者は等しく減少しているのが注目できます。このままいけば6月中旬には0になる勢いです。
実際にはそうならないのですが、長引いている分、淡い期待が出てしまいます。

図1 全国感染者推移
                    図2 全国死者数推移

しかしながら、先行指標である空港検疫では連休以降も陽性者が増加しています。入国緩和が6月10日からなので、更なる陽性者増加は避けられません。
すると、それによる感染が国内波及するのも時間の問題なので、6月中旬以降は第七波が勃興すると予想しておいた方が良さそうです。
この意味では、4回目ワクチン接種もタイミングが遅いことになります。
なお、緩和に伴い空港での検査を止めたり縮小するなどの処置をとることがあれば、目を塞いでやみくもに感染をばら撒く結果にしかなりません。
そのような愚策を取りかねないのが今の政府ですから用心が必要です。

(以下、6月3日追加、図4更新)
6月1日から入国者数を2万人Maxに引き上げ、同時にその検疫処置を緩和したとの事です。6月10日からは観光客の受け入れ開始との事です。
(入国者数上限 きょうから2万人に 入国時検査など一部免除 2022年6月1日 4時06分 NHKニュースより)
その結果、5月末に100人越えで増加中だった陽性者が、6月からはいきなり7,8人に減ってしまいました。
つまり、本来検出されるべき100人規模の陽性者が、検査省略でフリーパスとなり、確実に毎日市中に拡散される事態になってしまっているのです。

今や9分で陽性判定できる装置も開発されているのに検査を止めるとは何なる愚策でしょう!!
首都圏から第七波が拡がり、また、このために4回目ワクチン接種が遅れたタイミングになることはほぼ明白です。
愚か!以外には言葉が見つかりません。

           図3  各地域の感染者密度の変化
 図4  空港検疫陽性者推移 -- 6月1日から不明になった!!
2022/6/3