新型コロナの感染者は10月中も減り続けて、今の11月初旬は概ね全国で二百人/日規模になっています。図1に示すように、現在は第二波の初期と同じです。
神奈川県で顕著なのは、10月15日以降は人流が絶えない横浜駅地下街や駅ビルでの感染発生がない事、沿線の京急ストアやスーパー、コンビニなどでも感染事例が完全に消えた事です。
また、印象的なのは、全国の郵便局の感染件数が10月は39件、11月後半から現在まで6件と激減している事です。8月31日には1日だけで121件もあったのとは雲泥の差です。(「日本郵政グループ社員等の新型コロナ感染について」のお知らせにて件数を確認)
日本郵便を除く物流全体(宅配、トラック、鉄道、港湾、海運など)でも10月は計29件と激減しています。(LOGISTHCS TODAYより)
明確な理由は不明ですが、複数の減少要因が継続的に
作用していると思われます。約70%のワクチン接種率、マスク相乗効果、接触感染機会の低減、ウイルス変異、人流の地域化、軽症ゆえ連絡しないなどです。
それでも、11月はだんだん増加すると思われますが、まだ地域的点在でスポット的増加に限定されるのではないでしょうか。
年末年始は日本グローバルの人流/物流が起きるため、スポットの全国展開があれば感染爆発に繋がる可能性があります。全国各地の郵便局で感染者が出てきたら、要注意です。感染拡大の指標ともいえます。
これまでの第三波から第五波での経験則は、通常と異なる貨物移送や人流の往来が大きな感染者増を招くということです。すなわち、今度の年末年始で第六波となる事はある意味明らかですが、今回が昨年の第三波と異なるのは感染者数のベースが低い事です。つまり、第三波と似た経過を辿っても感染者数は第三波を下回る可能性が大きい。ワクチン効果が従来と異なる良好な状況を生んでいる事は明白です。なお、その効力は低下し続けるため、早急なブースター接種の開始が待たれますが、河野氏が任を離れているので、今後もたついて遅延する事態も充分に予想されます。もし、来年春に第七波が起きるとすると、それはこうした人為的ミスが大きな要因となるでしょう。
ともあれ、コロナウイルスが活躍し易い冬場、空気乾燥のために飛沫感染よりも空気感染に近くなり、その結果、下手なマスク装着(*1)では効果が低くなる季節(*2)を迎える入口にて、感染者が少ない状況でいる事は大変ありがたい事です。第五波の時のように見捨てられたり、入院先が見つけられなくて死亡するといった悲惨な事態や医療選別を迫られる機会が減るからです。感染者が少ないせいで医療体制は崩壊せずに持ちこたえることでしょう。
しかし、新型コロナは深刻な後遺症が出ることが多いので感染しないことが一番です。ブレークスルー感染をしてもとりあえず軽症ゆえに病院に行かず通勤する人も多数いることでしょう。彼らは自分以外の感染者を増やします。
気を緩めず、隣の人はウイルス伝達者、自分ももしかするとウイルス伝達者と仮定して行動する日々はまだ終わっていません。
(*1)マスクがぴったり顔に付かないで隙間がある状態。もちろん使用するのは不織布マスクで、他の種類のマスクは素材自体が効果が低いため新型コロナ対策には不適当です。蛇足ですが、鼻出しマスクやすぐ鼻が出てしまうようなゆるゆる装着などは、マスク無しと変わりません。
(*2)実際には図1で解るように、新型コロナは季節に関係なく拡大しており季節的要因は無視できる結果となっています。ただし、第六波もそうなるかはわからないので、あり得る通説を記載しています。