ついに、新型コロナ第五波が収束中です。90万人以上が罹患しましたが、以前の波と同様にその期間が4ヶ月以内でした。今回の主要コロナ株はインド由来のデルタ株であり、東京オリンピック開始数日前から爆発的に感染者が急増し、パラリンピック終了一種間後に感染者は怒涛の勢いで急減しました。
また、今回は全国的一律に遅滞なく急増し、どの県でも等しく医療崩壊危機に陥りました。図3、図4に急増例を示します。
一方、死者数は第三波や第四波の半分程となり、ワクチン効果は明白です。(図2参照)
国を挙げて準備・開催し、サポートしたオリンピック/パラリンピックは非日常の人流や物流を全国的に展開しました。
その結果は「バブル」近辺のコロナ感染や大量弁当廃棄にとどまらず、一般への医療従事者不足と異常な感染者増です。逆にイベントが終わり通常に戻ると、イベント由来の感染増加要因も消滅して、「異常な」感染者減を招きました。
図1は、感染者増減がオリンピック/パラリンピックの時期に一致し、その増加・減少の様子は鏡のように対称的であったことを示しています。この期間の異常な感染者数は、オリンピックイベントに起因したことを明瞭に示しています。
オリンピック中止の場合の推定第五波を、橙色の点線で示しました。その場合、感染者数は40万人程となり、今回の90万人を50万人も下回ります。ピークでも1万人未満/日であったと推定します。
また、感染者が6000人/日以下になってからの減少度合いは、第三波、第四波とほぼ相似であり、いつもの減少カーブに近いものです。ワクチンの効果は少しあるようです。
今は第二波でいえば、未収束域であることに留意すべきです。死者数も第一波、第二波と比べれば、全然多いままです。
物流関係の感染状況を図5に示します。図によれば、今回は運送だけでなく港湾/倉庫でも著しく感染増加し、全国の感染者増よりも先行しています。
物流のオリンピックシフトの結果と思われます。
第六波について:
今月、収束しきらない内にはめを外した結果、第六波は昨年の第三波と同様に11月~2月末の4ヶ月になることは確実です。但し、ワクチン効果とクリスマス、正月イベントが相殺して、第三波並みになるかと想像します。
高齢者は抗体量が減っているので感染者の年齢別割合が増えて、これも第三波並みになるかもしれません。
但し、重症化しにくいために、「大したことないや!」と、感染しても検査や医院に行かない、隠れ感染者が増大すると思われます。その結果、感染チャンスは従来よりも増えるので、「抜かりない」対策をこれからも日常的にしていく必要があると考えます。