リバウンドする第四波! 最悪の第五波に備えよう。

実際には高齢者へのワクチン接種も終わらない中で、オリンピックが始まります。片道燃料で沖縄に行った戦艦ヤマトみたいです。
感染力の強いインド株(デルタ株)、オリンピックでの人流増加で、第五波は今までで最大の感染拡大となる事が予想されます。
オリンピックは東北の復興の証だったはず。いろんな名分をかなぐり捨て、利権優先/国民不在のまま、安心・安全の空念仏で日本をめちゃくちゃにしてしまうのでしょうか?亡国の政治とイベントです。

感染の波と感染者数
図1に全国の感染者数の推移、図2に全国死者数の推移を示します。
大まかにみれば、4ヶ月ごとに感染の波が来ています。第三波と第四波は、異なる状況ですが、よく似た経過を辿りました。
感染者数は、第一波から順に、2万人、8万人、33万人、35万人と波を重ねる度に増加してきました。
死者数は第三波よりも増えて、現在が底のようです。

周知のように全国の感染者数は早くも増加に転じています。第五波は6月末~10月末と4ヶ月以上の期間になることでしょう。
第五波での増加要因は、
- 全国に普及した感染
- 感染力が強いインド株への転換
- 夏休みやお盆などの、大型連休における人の移動
- オリンピックでの、多数、多様な人流と交差

であり、一方、減少要因は、
- ワクチン接種
- マスク着用と社会的距離の確保

の2つです。
しかし、ワクチン接種は65歳以上の高齢者でも2回接種完了は7月末までかかり効果が出るのはその1~2週間後です。よって、お盆やオリンピック/パラリンピック期間中、高齢者でないほとんどの人はワクチンの恩恵にはあずかれない事になります。また、社会的距離(2m以上)を保とうとする人は周りにいないし、習慣的に列を詰めて来る人ばかりであるのは、ご承知の通りです。
つまり、減少要因はほとんど効果なしです。
増加要因については、第三波は年末年始の移動によるもので、第四波は卒業入社や大型連休の人流によるものでした。
よって、第五波は、夏休みやお盆の人流によって第三/四波と同規模になる上に、オリンピック人流とインド株が重なるので、これまでの最大規模になると容易に予想できます。
感染者ピークは、一万人/日を超えてくると思われます。
緊急事態宣言も間違いなく出ることでしょう。

図1 全国の日別陽性者確認数
第四波は増減が第三波と相似していますが、6月20日の緊急事態解除で下げ止まり、6月末からの第五波は第四波の下限よりも多いベースで始まります。インド株とオリンピックにより、これまでで最大の感染拡大になると考えられます。
図2 全国の日別死者数
感染者増減と比較して、通常、1ヶ月遅れの山になるのですが、今回の減少カーブは早く、もう下限まで達したようです。

オリンピックやパラリンピックでありうる事態
以下のような予想です。
オリンピックの出場者や関係者に感染が発覚(必ず起きる)した時、適切なアクションがとれずにあたふたし混乱しつつ、IOCや政府などは最善を尽くしていると強弁する。
あるいは医療現場のせいにする。その頃には市中感染も激増し、医療の手が足りず、市民と選手のどちらを優先するかなど医療崩壊がおきる。
オリンピック関係者が、閉じ込められた「バブル」内でのクラスター爆発を恐れて市中に拡散する結果、更に感染を増大させる。

防災や災害対策の基本は、科学的に起き得る最悪事態を想定して、被害を最小化するための行動計画策定や実施訓練を行うことです。
オリンピック関係者と政府はこの視点が欠落し、み猿/きか猿で一貫しているので、尾見会長の発言を「見えている地平が違う」と、自らが無謀なプロセス上に立っていることを逆に明らかにしているのです。
ウガンダ選手団の陽性発覚とその後の行程で端的にわかるように感染者阻止はザル以下です。
今も陽性者と濃厚接触者を予定キャンプ地まで移動する事をルールにしています!!
オリンピック関係者は、新型コロナ陽性者が他人に病気をうつす疫病の患者ということが理解できないほど、知的レベルが低いようです。
今後も続々と陽性者の気楽な入国と移動が続く事でしょう。
ノーテンキさを物語るニュースは日々流れています。一方、感染被害を想定した訓練が行われたというニュースは皆無です。
日本の政治家やオリンピック関係者は今も非文明社会で生きているようです。毎日の「安心・安全」の祈祷に頼っています。

参考資料:
<コロナ下の五輪>科学尊重せぬ国「勢いで五輪、医師として悔しい」医療班参加者 (毎日新聞 2021年6月26日)

https://news.yahoo.co.jp/articles/be9b4512e1bf0bf7498437243edb443f1b0fd2ba 
東京五輪「バブル方式」の危うさ 死亡率世界最悪のペルーで流行「ラムダ株」持ち込みも?(AERA dot. 2021年6月26日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/367989c129f1dc85497681566a824667db43a8f4

今回のオリンピックイベントは、
付近の各所で火事が起きて火の粉が舞っているのに、ど真ん中の会場にお客を集めて宴会を催すのと似ています。
消火器が一つあるから、安心安全が確保されてると自慢し、いざ、火傷する者が出ても、最善を尽くしたのでこれ以上は無理、と責任逃れする醜態をみせるわけです。
昨年のダイヤモンド・プリンセス号の二の舞になり、懲りない無対策の三流国として世界に日本の悪評を拡げ、史上最低のオリンピックとして歴史に刻まれる可能性が大きいと思います。

インド株の特徴と置き代わりの時期
WTOが「デルタ株」と呼ぶ新型コロナ変異種のインド株は、今年3月にインドで確認され、現在は世界70ヵ国に広がっています。
英国の新規感染者の90%以上を占めており、日本ではオリンピック開会式7月23日の時点でインド株が約7割を占めると予測されています。
症状は、一般の風邪に似ていて区別がつきにくく、たいへん感染しやすく重症化しやすい上、ワクチンの予防効果を低減させるそうです。
ファイザーワクチンの場合、2回接種で英国株(アルファ株)が93%の有効率であるのに対し、インド株では88%とのことです。
英国で急増中なのは、2回接種者がまだ多くないという現状が理由のようです。(1回接種での有効率は33%)
なお、中国の調査では、トイレで14秒一緒にいて感染したという事例が報告されています(恐らくマスクは無しです。)。
ちょっとした立ち話や大声によって感染する機会が多くなる事を意味します。感染力は従来の約2倍とのことです。
なお、前節の参考資料にもありますが、「ラムダ株」が更に危険な変異株なので、要注意です。

参考資料:
Newsweek 「インド型変異株(デルタ株)は従来株と症状が違うので要注意」2021年6月15日
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/post-96513.php
PC watch 「新型コロナ変異株は2m離れても感染リスク高。飲食店での有効策は?スパコン富岳が解析」2021年6月23日
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1333498.html
 National Geographic 「コロナのデルタ株は「非常に危険」 警戒強める一方の専門家ら」2021年6月23日

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/062200317/


ワクチン接種の効果と現状
予防接種は天然痘の場合、過去に種痘後脳炎が乳幼児に発生して集団接種から希望者のみの個別接種に切り替えられた経緯があり、副作用を心配してワクチン接種をためらう人も少なくはないと思われます。新型コロナワクチン接種においても死亡者が出ているからリスクは確かにあります。
また、mRNAワクチンは初の試みゆえに、安全性が高くとも長期に渡る"安心"実績は当然ないわけで、その点で納得できる情報はありません。
しかし、ワクチン接種が感染者の減少に極めて効果的である事は、イスラエルや米国の事例で周知の事となっています。
また、自分が罹患して、運良く重症化せずに軽症であって、もいつ終わるともしれないひどい後遺症に悩まされることがあることは知っておくべきでしょう。
図3,4に新型コロナ後遺症の調査結果を示します。
つまり、選択肢は、自分が感染して苦しみ身近な人にも感染を拡めたり重症化するのを甘受するか、ワクチン接種により自分にも他人にも大きな感染予防効果を得るかのどちらかです。

感染は「自己責任」だからマスクもしないという奴はバカかと思う。他人に迷惑はかけないつもりなら、病院も買い物にも行かず友人家族に接してもいけない。全て病気を他人に移す行為だからだ。また、発症前にもウイルスを撒き散らすから、感染可能な場所に行ってから2週間は自己隔離するのが、自己責任の発揚になる。
以上はそもそも無理だ。ちゃんと考えれば「自己責任」などと言えるわけがない。
人はみんな人を頼って生きるのだから、死ぬ気がなくて人に迷惑をかけるつもりがないとするならワクチン接種をすべからくすべきなのだ。

しかし、ワクチン接種はしたい人がすぐにできる状況ではありません。
横須賀市では、7月末までに2回接種を終えられる可能性があるのは65歳以上の高齢者に限られます。その範囲内でも近隣のクリニックで個別接種を望む人は8月にかかるかも知れず、65歳以下の方は2回接種が早くできても横須賀市の予定上8月上旬になります。24歳以下は9月の予定です。その頃にはパラリンピックも終わっています。
すなわち、横須賀市でも、第五波に対するワクチン効果は無いに等しく、ただ高齢者の重症化を減らす効果となります。
インド株による壮年、若年の重症化の増大を加味すると第五波でも医療逼迫は避けられないと予想されます。

参考資料:
ワクチン「打たぬ選択ない」免疫学の第一人者、慎重姿勢を一転 データで安全確信 (神戸新聞NEXT 202分年6月26日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a9db27f5490db74868195b03363ad32fa52ebcb
日経ビジネス 「コロナワクチンは発症だけでなく感染も予防、わかり始めた効果」2021年6月16日
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00292/060200007/
山中伸弥による新型コロナウィルス情報発信 ワクチンの有効性は?
https://www.covid19-yamanaka.com/cont5/37.html
Yahoo!ニュースオリジナルvoice 「mRNAワクチンは「本物の病原体ではなく、設計図」今知っておくべき知識」2021年5月13日

https://news.yahoo.co.jp/articles/eebd2f1d439eae3a758b8d5313203628877cf76d
  

図3 新型コロナ後遺症1
図4 新型コロナ後遺症2

名誉総裁(天皇)の心配に木で鼻をくくる対応をするオリンピック推進者達
オリンピックの名誉総裁で、開会宣言をする天皇までが、オリンピック実施で新型コロナ感染拡大に拍車がかからないか心配なのを世間に公表しました。
ところが、首相、官房長官、オリンピック関係者は、対策を見直すどころか、邪魔しないでと言わんばかりのそっけない姿勢を見せています。
オリンピックが政治的や国事的行為でなければ、天皇が口を挟むのは問題ない。ましてや日本側の主催者代表でもあります。しかも、余計な詮索をされないよう、宮内庁役人の発言として発表されています。
しかし、オリンピックの精神と反して、マスコミと主催者達はオリンピック=政治とみなし、越権行為ととらえているようで発言を無視または批判しています。
そして、陽性者がいるウガンダ選手団を成田空港の検疫で留め置かず、キャンプ地の泉佐野市まで移動させるばかりか、五輪相はその処置を問題ないと発言するイカれっぷりです。
また、スポンサーのアサヒビールから不適切と言われるまで、世間の反対にも関わらず酒類を場内で提供するつもりでした。
つまりは、オリンピック推進者達の言動や行いは反国民的と言って差し支えありません。
国民に第五波という大きな厄災を浴びせるのに、彼らは大きく加担しているのです。
国民を無視する彼らは、遂には天皇までも無視しました。
元々、このオリンピックは東北大震災からの復興をテーマに開催するものでした。今や絵空事となり、ひたすら国民不在で大義のないオリンピックを、感染者が急増する中で実施しようとしています。それは民主国家としての日本を貶め、世界から三流国家と名指しされる愚行です。
このようなイカれた人たちが、政治の実権を握りオリンピックで利益を上げる一部の企業と結託し、目を塞いでイベントを強行しようとしています。

いつまでも、こんな人たちに私たちの未来を握られていて良いのでしょうか?
今年は総選挙があります。首相をはじめとしてオリンピック強行に加担した政治屋どもを一掃すべきです。
私たちの「コロナ不幸」は彼らによって倍化されています。
ニュージーランドのような国民本位の政治体制にもっていくには、選挙で彼らに報いを与えることが必要です。
日本経済を復活させるためにも、きちんとした対策ができないと更に他国の後塵を拝する事になります。
利権にまみれた無能な政府は日本を貶めるだけです。「国民主権」を取り戻しましょう。

2021/6/28