ブルーライトカットのグッズと%表示

1. バックライトはブルーライト
スマホの液晶画面やパソコンのLEDモニタは、画面の後ろから光を出して画面を明るくしています。これをバックライトと言います。
バックライトには青色LEDの発光を他の色の蛍光フィルターを通して白色光を出しています。この青色光や白色光をブルーライトと言い、目の網膜にダメージを与えると言われています。サムスンのスマホや今秋予定(?!)のiPhone8では、有機EL(OLED)画面が採用されて、こちらはバックライトは不要であり、有害な光源は抑制されています。有機ELはもちろん照明もOKなので、最終的には液晶画面やLED照明を駆逐すると思われますが、これからのことです。今は「不健康」な光が優勢なので、ブルーライトカットグッズが流行っているのです。

2. 自分の保護
実は、私は5年前に両目ともに白内障手術をして、目は人工水晶体です。光をバンバン通し、手術後は「世界はこんなに明るくて美しい!」と感動していました。しかし、青色光もバンバン入ったせいか、感動している間にしっかりと黄斑変性になってしまいました。また、しかも、今は本を見るよりもスマホやタブレットの画面を見ることの方が圧倒的に多く、かつ、長時間であるので、どこを見ても手術後の網膜には良くない状態です。なので、少しでも軽減するために部屋の照明にLEDではなく長寿命蛍光灯を使い、画面にはブルーライトカット保護フィルムを貼ってきました。

3. 90%に釣られて購入したものの、、
そして、最近ネット販売で「ブルーライトカット率90%以上」の宣伝文句があふれているのに気が付きました。5年前は精々30%であったので、進歩したんだ!と思い、Amazonで口コミが良いところの眼鏡やガラスフィルムを購入しました。
しかし、効果てきめんさを知るため、90%はどの辺かなと確認すると、LEDバックライトの波長(440~460nm)では、カット率が10%未満?!元々、バックライトでは、量が少ない小さい波長(380~420nm)のところでは100%に近いカット率。なんと!バックライト対策にはならないではないですか!iPhoneでは速攻で今まで使っていたキャンドゥ100均のフィルムに貼り替えました。iPad用も特性データはないものの、最大92%カットと称しているので、iPhoneと事情は同じと考え、こちらも元のフィルムに戻しました。

4. ブルーライトの意味合いの違い
考えてみると、ブルーライトカットの意味あいがどうも2種類あるようです。
一つは、スマホ/タブレットのLEDバックライト対策であって、特徴的な440~460nmの波長の光強度をカットフィルムを貼って抑制すること。これは以前からの普通の対策です。
もう一つは、HOYAなどのメガネ屋からの考えで、UVカットの拡大バージョンです。自然光でも紫外線は目に悪いわけで、青色光でも410nm近辺、440nm近辺が目に障害を与える領域と学会から指摘されています。自然光からの障害を避けるために、紫外線から青色光まで連続して光をカットするために、410nmまで90%以上の減衰する性能のメガネを日常生活保護用として作るわけです。私のように、人工水晶体のために色んな波長の光が減衰なしで網膜まで入ってしまう人にとっては、ありがたいメガネです。こちらもブルーライトカットと言います。
二つは同じように「ブルーライトカット」と名乗りますが、このように利用対象と意味合いが違います。しかし、単語が同じということで、"わざと?"混同し、後者をスマホ用のフィルムに使えば、90という大きな数字で宣伝できます。嘘ではないものの、バックライトから出るブルーライトは抑制しないので、実質なんの役にも立ちません。

5. フェイクな状況かも
購入者のほとんどは字面と自分の主観で判断し、目に優しい保護ガラスフィルムなんだと思い込んで使います。販売者にデータを要求する人は少ないでしょう。効果も理屈も??の「水素水」と同じことが、通販を舞台にして、スマホ/タブレットの「ブルーライトカット」保護ガラスで起きています。

6. Amazon、楽天のお店は???
皆さんもくれぐれも数字に惑わされずに検討下さい。なお、「ブルーライトカット」を除けば、ガラスタイプの保護フィルムは、すごく貼りやすく、操作感もよく、画面も綺麗です。ちなみに、私が買ったiPad用ガラスフィルムは立派なケースに収められ、製品の特徴が英語で列記してありました。CEマークも刻印された立派な工業製品です。しかし、ブルーライトについてはどこにも英語表記がありません。「ブルーライトカット」と書かれた小さなカタカナシールが追加で貼ってありました。つまり、日本国以外への納入ではこの製品はブルーライトカットをいえないのです。メーカは分かってるんですね。
流石に、ヨドバシ通販には、こういう製品はありませんでした。結局、Amazonや楽天は、なんでもあり、なんですね。

(9月3日追記) 販売元に質問しても回答なし。これって、やっぱりフェイクな商品?
眼鏡、iPad用ガラスフィルムについて、ブルーライト90%カットの内容説明と波長を横軸とする透過率グラフを、各々の販売元に質問しました。しかしどちらも1週間経過後も回答はありません。ブルーライトカットがうたい文句であるにも関わらず、です。
きっと、回答すると商売に差し障りが出る、ということでしょうね。
考えてみると、Amazonや楽天は、ただの販売窓口に過ぎません。同じ通販でも、ヨドバシはヨドバシが評価したものだけが出るので、普通に真っ当な商品が並びます。私達はそういうのが当たり前と思っているので、Amazonや楽天も同じだと思いがちです。
しかし、Amazonや楽天は自分で商品を評価しないので、玉石混交であり、今回のように回答もない、すなわち、詐欺的商品も堂々と販売されているわけです。口コミの評価は主観にとどまるので、その評価の高くても、商品の機能/性能が全部まともであるとは言えません。口コミは大事ですが、安心してはならない。実は今回は口コミに依存したのが敗因でした。
市販の商品でなかったり、他の通販では見かけない出展品は、よくよく調べないと金銭を失うだけに終わる、そういう事を学んだ気がします。

バックライトのブルーライトの危険な波長
iPhone用ブルーライトカットフィルム(30%カット キャンドゥ¥100)
iPhone用ガラスフィルムの性能(90%カット。しかし、440nmはたったの10%)
メガネのブルーライトカット
2017/8/28