AndroidとiPhone

iPhone3Gの日本発売以来、ずっとソフトバンクでiPhoneを使ってきたのですが、今年始めにiPhone6の2年縛りが終わったのを機会に、携帯電話をソフトバンクからUQモバイルにMNPしました。スマホはLG電子という韓国のメーカで、その略称がLGX、OSはAndroid6.0です。J:COMも同じ機種を扱っていますが、UQモバイルはサービスが広範囲で通信速度も速い実績があるので、UQにしました。
2年縛りで、音声電話60分フリーとデータ通信量6GBが付きます。SNSとテザリングは無料です。LGXの代金は実質100円です。通信速度低下で困ることは全くなくて満足しています。
しかし、LGXの利用は電話、SNSとテザリングに限定してます。つまりは「モバイルルータ付き携帯電話」です。iPhoneの方が断然馴染んでいるので、以前と同じくiPhoneがメインです。こちらは電話契約なしゆえ、モバイルデータ通信ではなくWiFiを利用します。だから、テザリングが要るのです。
今までは携帯電話代が月に9,000円位でしたが、約1/3、2,980円/月に変わりました。持ち運びで一個増えてますが、いいでしょう?薄いので、ポケットやバッグに入れるには困らない。

実はこの前、このLGXにカレンダーやメモ帳も入れて少しはスマホらしく使おうと考えて、Google Playからその定番アプリをインストールしようとしました。ところが、ある意味、「異常さ」に驚き、やめました。アプリメーカに提供する個人情報が多すぎるのです。ユーザIDと端末ID、WiFi接続情報、電話番号、通話状況、連絡先、カレンダー情報、画像、動画、音声と、これでもか!と取られるのです。
iPhoneではアクセス頻度くらいしか取られないので、かなりびっくりです。

こんなんでは、政府がアプリ業者から定期的に情報をとる制度にすれば、中国と同レベルの個人監視ができてしまいます。個人情報保護法(注)では、行政が要請すれば通信業者は個人のデータを差し出すことになっているので、やる気があれば、その援用でもできるかもしれません。
大した情報ではないといえばそれまでですが、くまなく監視体制ができるのは、間違いなくやばくて良くない社会です。
鈍感になりたくはありません。異常は異常としてちゃんと解っていたいと思い、インストールしないことにしました。LGXの「スマホ化」プランはこうして頓挫しました。(^^;;


Appleとは:
Appleは米国の一企業ですが、個人の自由と能力の拡大のために企業活動を行なってきた会社です。再三のCIAからのiPhoneデータ開示要求に応じなかったのは記憶に新しいところです。
製品で新しい文化を作っていく稀有な会社が、今、世界トップの業績を誇る会社として存在しているのには、Apple IIの時代からファンであった私には違和感たっぷりです。つまり、資本主義社会で持続困難なはずの目的を持った会社が眼前にある、逆に言えば、自由の希望として現存するのを、購買することでサポートできるとも思えます。ジョブズは生前に自らの有り様を「リベラルアーツ」と表現していました。米国の大学ではそういう名前の学部がそこそこありますよね。

パソコン黎明期から継続して大きな影響力を発揮しているのは、今や世界でAppleだけです。コンピュータアート、音楽制作、デスクトップパブリッシング、フロッピーディスクの駆逐、USBの普及、iPod、iTunesによる音楽視聴の革新、iPhoneでのスマホ再定義、iMacとOSXによるUNIXのメイン化、即ち本源的ソフトウェア技術の復活、等々を通じて、コンピュータによる人の管理には手を染めず、長期間カウンターカルチャを維持しながら、一般人がコンピュータを個人のために利用できる文化を革新的に広めてきました。
Appleの現在の盛況ぶりは信じられないことです。2000年頃はすぐに潰れてもおかしくないくらい苦境に喘いでいましたが、iMac以来の快進撃は目を見張るものがあります。マイコン開拓期と並び、経済学や経営学的にも研究対象とすべきものでしょう。

(注)個人情報保護法
真面目にその適用を確認すると、個人情報の利用をルール化するためのものであることがわかります。即ち、個人情報活用法というべき法律です。法律の名前から、みだりに自分の情報は拡がらないなどと判断してはいけません。「同意」で、買い物情報などはグループ会社に自動的に拡散することが許可されるので、登録が広く情報開示することと同じであることを知るべきです。また、警察などの行政の要請に対して業者には個人情報の開示義務があることも知っておきましょう。

2017/5/30